岡田敏彦の軍事ワールド

「撃たれた小隊長を見捨て、兵士は逃げた」韓国兵士乱射脱走事件から見えた軍の暗部…徴兵制での壮絶いじめ、問題視される前近代性

深刻な背景

 セウォル号沈没事件でも被害にあった生徒はおろか、海上警察や海軍兵士までがさっぱり泳げない「カナヅチ」だったことが判明したが、これは学校にプールもなければ泳ぐ習慣もなく、「文武両道」の考えがないからともいわれる。

 これでは徴兵された若者が肉体的に虚弱で、鍛えた古参兵との体力差が出るのも当然。特に厳しい訓練についていけない落ちこぼれは「不適格兵士(関心兵士)」として一般の軍務から外すなどの措置が取られる。乱射したイム兵長も、そうした不適格兵士の1人だった。

 上官を見捨て、部下をいじめ、不審者をスルーし、欠陥兵器を持って逃亡する韓国軍兵士たち。ちなみにイム兵長の所属部隊は陸軍第22歩兵師団。2012年10月に北朝鮮軍兵士が軍事境界線を越え、韓国側の兵舎のドアをノックするまで、北の兵士の接近に誰も気づかなかった「ノック帰順」事件など、数々の不祥事を起こした部隊だった。

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