岡田敏彦の軍事ワールド

「撃たれた小隊長を見捨て、兵士は逃げた」韓国兵士乱射脱走事件から見えた軍の暗部…徴兵制での壮絶いじめ、問題視される前近代性

俺の吐いたタンツバ舐めろ! 汚物で顔も洗わさられ

 韓国軍人権センターの発表などによると、今年4月、陸軍28師団のユン一等兵は、冷凍食品を食べている時に先輩の兵隊から胸や頭を殴られて倒れ、食べ物が喉に詰まり、気道閉塞による脳損傷で死亡した。同センターは遺体の写真を公開したが、体全体がアザだらけだった。

 先輩兵は日常的に暴行を加え、ユン一等兵が痛みを訴えるとビタミン剤などを点滴。回復すると再び暴行したという。さらに、性器に軟膏を塗って性的羞恥心を加える▽歯磨き粉1本を全部食べさせる▽先輩兵が床に吐いたたん唾を舐めさせる-などの嫌がらせもあったという。

 同センターは暴行を加えた4人と黙認した上官を拘束したという。

 韓国軍の訓練は諸外国と異なるうえ、「無駄に厳しい」と指摘されてきた。訓練の一環として、人の汚物で顔を洗わされたり、全員裸になって隣の兵士の臀部に顔を埋めさせられたり…などの行為が横行。米映画「フルメタルジャケット」での罵詈雑言ぶりが有名なハートマン軍曹も顔をしかめそうなえげつなさだ。

 韓国は徴兵制を敷くため男性は全員軍隊生活を経験するが、集団生活や体育会系の人間関係になじめない者も多い。

 日本を含む諸外国では中学や高校のクラブ活動は珍しくないが、韓国はそうではない。生徒らは厳しい受験競争に勝ち抜くため放課後も自習や塾通いがほとんど。さらに「体を動かすのは野蛮」という過去の貴族階級の因習を踏襲する風潮もあり、学校での運動クラブ活動はほとんど行われていない。

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