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ケン氏は今、広州で雑貨や衣料を仕入れて本国に郵送し、親族を通じて売りさばいている。「故郷にいたときより何倍ものお金を毎月稼げるので国に帰る予定はない。中国人と結婚して、ちゃんとした滞在資格を手に入れたい」という。
しかし、ケン氏の友人の中には麻薬や覚醒剤の密売など犯罪に手を染めている者も少なくない。中国南部の麻薬犯罪の多くは、広東省のアフリカ人が関わっていると指摘する中国当局者もいる。
愛知県稲沢市の男性市議は2013年10月、広州の空港で、スーツケース内のサンダルの底などに覚醒剤3・3キロを隠していたとして逮捕された。本人は「覚醒剤が入っているとは知らなかった」と主張。知人のナイジェリア人を通じてマリ人からスーツケースを受け取り、上海経由で日本まで運ぶことになっていたと供述しているという。
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三元里では、中国人住民とアフリカ人の間でトラブルが絶えない。タクシーの男性運転手は「中国人女性がレイプされる事件や、金品が奪われる事件もよく起きている」と話す。