香川県のブランド牛「讃岐牛」に名産のオリーブを食べさせた「オリーブ牛」の生産が拡大している。神戸ビーフや飛騨牛などの有名ブランドに知名度で及ばない讃岐牛だが、オリーブを打ち出すことでブランド力を強化。生産者は「オリーブに含まれるオレイン酸は肉のうま味表現の一つ」と味の良さを強調する。(寺田理恵)
後味さっぱり
オリーブ牛は、同県で肥育された黒毛和牛のブランド「讃岐牛」のうち、讃岐牛銘柄推進協議会が定めるオリーブ飼料で育てられた牛。肉のうま味成分のオレイン酸を多く含むオリーブの搾りかすを食べさせることで、オレイン酸の含有率を高めた。
味は「肉のうま味に加え、脂の口溶けが良く、後味がさっぱりしている」(県畜産課)のが特徴だ。首都圏への出荷量を増やそうと同県は7月、帝国ホテル(東京都千代田区)でイベントを開き、オリーブ牛の赤ワイン煮込み讃岐うどん添えやローストビーフを出席者に振る舞った。
ブランド化に取り組んできた讃岐牛飼育モデル農家連絡協議会会長の合田政光さん(73)は「オリーブ飼料は肉の甘味を増す成分のオレイン酸の含有量が高い。おいしい肉の表現は霜降りばかりではない。オレイン酸も肉のうま味の表現の一つだ」と話す。