夏の高校野球

埼玉大会 春日部共栄、猛打で甲子園切符

 28日は母・とも子さん(47)の誕生日。「優勝をプレゼントするのも目標だった」とはにかんだ笑顔を見せる主砲。次にかなえたい夢は「全国制覇です」。力強くはっきりと答えた。(菅野真沙美)

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 ■攻守での活躍が父の特効薬 市川越 沢田瑞城外野手

 七回裏2死二塁。「なんとしても上條を助けたい」。左前打を素早くさばくと、捕手めがけて力いっぱい投げ込んだ。打席では快音こそ響かせられなかったが、この日は左翼から何度も相手の好機の芽を摘んだ。

 どうしても勝ちたい理由があった。昨年8月、父・克巳さん(48)が脳出血で倒れ、生死の境をさまよった。「すごく、不安だった」。チームは秋季大会に向けて始動したばかりだ。「みんなに心配はかけられない」と、隠れて丹羽俊亮コーチ(22)に泣きつくこともあった。

 看病や仕事で忙しくなった母・克子さん(48)を近くで見ながら「両親を少しでも笑顔にしたい」。練習試合で放ったホームランボールを「きょうも打ったよ」と手渡した。

 1月に退院した克巳さん。球場で見届けた息子の姿は「一番の薬です。私も負けられないね」。大躍進の夏に幕を閉じた背番号7は「悔しかったけど自分たちの気持ちの強さには胸を張りたい」。誇らしそうにほほえんだ。(川峯千尋)

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