マレーシア機撃墜

282人の遺体移送へ オランダ主導で身元確認

 【キエフ=佐々木正明】ウクライナのグロイスマン副首相は21日、マレーシア機墜落の犠牲者298人のうち282人の遺体を発見、墜落現場の捜索活動を終了し、同日夜(日本時間22日未明)、ウクライナ政府が事件の対策センターに指定した東部ハリコフに移送すると発表した。

 犠牲者が最も多いオランダの主導で身元確認や真相究明の作業を行う計画も明らかになった。一方、墜落機の「ブラックボックス」は親露派が保管、国際調査団への提出は見通しがつかない。

 遺体は墜落現場近くのトレズの鉄道駅に停車した列車の冷蔵車両に安置されており、20、21両日、現場を訪れた欧州安保協力機構(OSCE)の国際監視団が状態を確認した。

 グロイスマン氏はキエフでの会見で、現場一帯で合わせて16人分の遺体の一部も収容したと明らかにし、282人分の遺体とともに列車でハリコフに移送すると表明した。

 墜落現場を支配下に置く親露派は、これまで遺体を独自に管理下に置き、政府主導の移送計画に拒否する姿勢をみせていたが、国際社会の怒りを受けて態度を軟化させた。親露派戦闘員や国際調査団が同行するとの条件を付け、支配領域外への移送に同意した。

 ウクライナのヤツェニュク首相は21日、今後の対応について、犠牲者の最も多いオランダが中心となって行われる見通しを明らかにした。ハリコフには、オランダ人23人を筆頭に、米英独豪の専門家を含む31人の調査団が到着しているという。

 ハリコフ到着後、全ての遺体はアムステルダムに移送して遺族との面会などが行われる見通しで、そのためにオランダ軍の軍用機がウクライナ領土に入ることも検討されている。

 一方、親露派は20日、墜落機の飛行データなどを記録し、真相解明のカギとなるブラックボックスを拠点のドネツクで管理していることを明らかにした。国際民間航空機関(ICAO)の専門家に引き渡す用意があるとも語った。

 ICAOの調査員は21日にキエフに到着、早期の東部入りを目指している。

会員限定記事会員サービス詳細