不登校のまま中学を卒業した人の約4割が、不登校だったことを大人になってから後悔していることが、文部科学省が13年ぶりに実施した追跡調査で分かった。一方、いじめ被害など深刻なケースでは、「学校に行かなくて正解だった」との声も。このほか「(不登校のせいで)自分の夢がかなえられない」「引きこもったからこそ学べたこともある」など、さまざまな声があった。不登校経験が良くも悪くもその後の生活に大きな影響を及ぼしている様子が、今回の追跡調査で浮き彫りになった。
不登校経験者の高校進学率は85%
追跡調査は、平成18年度の中学卒業時に不登校だった約4万1000人を対象に、彼らが20歳になった23年10月~24年12月にかけて行われ、約1600人がアンケートに回答。うち約400人がインタビュー調査にも応じた。不登校経験者への追跡調査は、5年度卒業生を対象にした調査以来2回目。
それによると、不登校経験者の高校進学率は85・1%で、同世代の全国平均98・0%を大幅に下回ったものの、前回調査の65・3%に比べ20ポイントも上昇した。高校中退率は14・0%(全国平均1・9%)で、前回調査の37・9%に比べ大きく改善した。