長岡技術科学大が「着衣泳」教員講習会 新潟

 水の事故に遭った際、衣服や靴を身に付けたまま水に浮いたり移動したりして救助を待つ「着衣泳(ちゃくいえい)」。子供が海や川に遊びに行く機会が増える夏本番を前に長岡技術科学大は、長岡市内の小中学校教員を対象に、この自助策を体験する講習会を開いた。同大は同様の講習を市外でも開き、浮いて待つ術を全国の学校教育現場に浸透させることをめざしている。

 今回の講習は同大と市の包括協定に基づく初の事業。6月に同大屋内プールで行われた講習会には、教員15人が入水時の心構えから着衣泳の実践まで学んだ。衣服と靴を身に付けたまま大の字であおむけになり、力を抜く「背浮き」に挑戦。息を吸うと人の体積の2%(口と鼻)が水面上に出ることや、衣服と体の間に空気がたまり浮きやすくなることなどを体感した。

 1・5リットルサイズのフタ付きペットボトルを腹の前に抱えて浮くなど、身の回りの道具を生かす大切さも学んだ。最後はプールに転落し、背浮きで救助を待つ一連の動作を確かめた。

 講習後に「ジタバタしないで浮いて待つ大切さを実感した」(宮内小の男性教師)、「自分の命を自ら守る大切さを子供に伝えたい」(表町小の女性教師)などの声が上がった。

 指導にあたった同大の斎藤秀俊副学長は、平成15年に着衣泳研究会(現・水難学会)を設立以来、同学会の指導を受けた消防署職員を小学校に派遣する活動などを進め、年間約8万人の小学生らに教えてきた。

 県警によると、県内の水難事故による死者数は14年の52人をピークに減少傾向にあるが、全国水準では低くなく25年が33人のワースト3となっている。

 斎藤副学長は指導実績を土台に、「講習を受けた小学校教員らが自身の授業に取り入れる流れを広めたい」と話しており、浮いて待てば生還できることを教育現場にもっと啓発すべきだとの課題を投げかけている。

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