若手記者が行く

「特殊浴場と共存」は昔の話、旅館2代目たちが「脱風俗」のイメージチェンジに奮闘する「おごと温泉」の今

 こうした努力が実を結び、平成初めの頃は年間30万人前後だった宿泊客が、23年には48万9千人に増加した。これまでは男性客が中心だったが、家族連れ約7割、女性客約6割と観光客の構成が大きく様変わりし、客層が着実に変化したことを示している。

「ソープ街からの自立」を模索して…

 おごと温泉は今年4月から、近くのおごと温泉港を発着して琵琶湖巡りを楽しむ「びわ湖・湖上お散歩クルーズ」を就航させた。「琵琶湖のクルージングを楽しみたい」という宿泊客からの要望を受けたもので、発案したおごと温泉旅館協同組合の森崎祐次監事(47)は「おごと温泉の新たな名物になる」と自信を見せる。

 昨年夏ごろから、「ミシガンクルーズ」など琵琶湖上のクルージングを手がける琵琶湖汽船に就航を働きかけ、大津商工会議所も資金面での支援を決めたことから実現した。週末の午後4時半におごと温泉港を出航している。

 使用しているクルーズ船「megumi号」は定員200人。1階は左右ガラス張りのラウンジスタイルで、2階のデッキに上がらなくても景色が楽しめる。琵琶湖大橋をくぐり、「近江八景」の一つに選ばれている「浮御堂」をはじめ、その形の美しさから近江富士と呼ばれる三上山や世界遺産・延暦寺のある比叡山など、湖岸から名所を約1時間でたどる。

 高校の同窓会でおごと温泉を訪れ、クルージングに参加した女性(71)は、「橋をくぐったのは初めての経験。良い思い出になった」と満足そうに話していた。

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