若手記者が行く

「特殊浴場と共存」は昔の話、旅館2代目たちが「脱風俗」のイメージチェンジに奮闘する「おごと温泉」の今

「雄琴」から「おごと」へ…

 改革の最大のネックとなったのは、やはり「雄琴=風俗街」というイメージの払拭だった。

 そこで、温泉街を親しみやすい場所にするため、「おごと」と平仮名表記にする取り組みに着手した。

 16年からは、JRの最寄り駅となる雄琴駅を「おごと温泉駅」にするよう署名活動を始めた。約3万2千人分もの署名が集まり、JR西日本と大津市に働きかけ、4年もの歳月を経て20年に駅名変更を実現させた。

 その一方で、温泉街としての魅力アップにも力を入れてきた。

 生き残った10軒の各旅館・ホテルは、旅館名を変更したり、増改築に踏み切ったりした。建築デザイナーが手がけた旅館があれば、料理が自慢の旅館がある。「雄琴の中でまねはしない」「他の温泉街のまねはしよう」と声をかけ合い、互いに個性を競い合う温泉街へと変貌していった。

 また、地元のブランド牛「近江牛」を提供する「認定近江牛指定店」に、全10軒がそろって登録。食へのこだわりがある街としてのイメージを印象づけた。

 そんなおごと温泉の最大の武器は、「京都に最も近い温泉街」という立地。京都を訪れる観光客や修学旅行客の宿泊先にしてもらうことを画策し、温泉街を挙げて旅行会社に営業活動を展開していった。

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