資金洗浄に加担、海外に送金 「マネーミュール」県内初摘発 神奈川

 フィッシングなどの手口で盗まれた他人の現金を外国に送金したとして、県警サイバー犯罪対策課などは10日、犯罪収益移転防止法違反の容疑で、横浜市港北区の会社役員の男(53)を書類送検した。

 気付かないうちに不正資金の運び屋となり、資金洗浄に加担してしまう「マネーミュール」と呼ばれる手口で、摘発は県内初。

 送検容疑は、昨年11月8日ごろ、報酬を得る目的で氏名不詳者に自分の銀行口座番号などをメール送信。同年12月19日ごろから24日ごろにかけ、インターネットバンキングの不正送金の被害に遭った口座から自分の口座に振り込まれた現金325万9千円を、氏名不詳者の指示に従って引き出し、資金移動業者を通じてタイに送金したとしている。容疑を認めている。

 同課によると、男は昨年10月、登録していた米国の求人サイトから「送金するだけで5%の報酬がもらえる」などと書かれた英語のメールを受信。振り込まれた現金は、インターネットバンキングを利用していた北海道や大阪府、広島、長野両県に住む23~63歳の男女4人の口座から引き出されており、コンピューターウイルスやフィッシングと呼ばれる手口でIDやパスワードなどを盗まれたとみられる。

 男は振り込まれた現金計343万1500円のうち報酬として17万2500円を差し引いた残りをタイに送金。「送金だけで報酬がもらえるのは良い仕事だと思った」などと供述している。氏名不詳者とのやり取りはすべて英語のメールで、同課は氏名不詳者の行方を追っている。

 マネーミュールは新手の資金洗浄の手口として近年広がっており、県警は1月1日から5月9日までに12件を確認している。

 同課などはこの日、別の同様の事件で横浜市都筑区の会社役員の男(57)も同容疑で書類送検した。

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