英国王室物語

今も残る第一次大戦の傷跡 英霊たちへの追悼

 日英同盟を結んでいた関係から、日本も参戦していたものの、「第一次世界大戦」は、日本人にとってははるか昔のはるか遠くの戦場で起こった出来事にすぎないのかもしれない。しかしヨーロッパの人々にしてみると、それは日本人にとっての太平洋戦争と同じ意味をもつ。ともに20歳前後の若者たちが大量に戦死し、「失われた世代(ロスト・ジェネレーション)」を生み出した点でも、両者には共通点が多いのではないか。

 その第一次世界大戦が勃発して今月でちょうど100年がたつ。これを機に人類全体でもう一度「平和」の持つ意味というものを考え直してみてもよいかもしれない。(次回は8月7日に掲載)

 ■英国王室と戦争

 中世以来、英国王は自ら兵を率いて戦った。それもジョージ2世の時代(在位1727~60年)を最後に、王が戦場に赴く事例はなくなった。とはいえ、その後も英国王室の王子たちは軍で訓練を受け、陸海軍の要職に就いて国防を担っていく。エリザベス女王の父ジョージ6世(在位1936~52年)も第一次世界大戦のユトランド沖海戦(1916年)で命を落としかけた。女王の次男アンドリュー王子(ヨーク公爵)もフォークランド戦争(1982年)で従軍した。命を懸けて国を守るという「高貴なる責務(ノブレス・オブリージュ)」は今も王室に息づいている。

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