岡山県がビッグデータ新事業 全国初「つぶやき」をオープンデータ化

 県は26日、ツイッター上の「つぶやき」を収集して施策に反映させる新事業を来月1日からスタートすると発表した。都道府県では初の試み。最終的に行政運営情報につなげるのが目的で、県は「いま注目のビッグデータをオープンデータ化させる画期的な試みだ」と意欲を示している。

                  ◇

 県によると、ツイッター上のつぶやき(ツイート)は膨大だが、「岡山」というキーワードで検索をかければ、1日1~2万件程度まで絞り込める。さらに「後楽園」「桃太郎」などサブキーワードと組み合わせることで、分析しやすい単位にすることができる。そのうえで、民間の情報コンサルタントの手を借りて抽出・分析する。

 例えば、後楽園に関心を持っている性別や年齢層、他に興味があるキーワードの項目をデータベース化し、観光行政に生かす。これまでも電話での意見募集やアンケートはあったが、ネットから声を拾い上げるのは初の試み。全国的にも例がないという。

 県IT戦略推進事業(約1億円)のなかの「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)分析事業」(170万円)から予算を捻出(ねんしゅつ)。今年度は7~9月の限定試用だが、将来的には対象や期間を広げる。

 ネット上に散在、蓄積された膨大な情報である「ビッグデータ」。有効活用してビジネスチャンスを広げようと注目されており、24日に閣議決定された国の新成長戦略でも「ビッグデータの利活用でビジネス創出」をうたった。民間企業の4割が、SNSデータを活用しているという調査もある。

 一方、「オープンデータ」は、観光など行政機関の公開データ。奈良、福岡の両市が「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会」を設立し、民間から活用のアイデアを公募するなど利用促進に乗り出している。

 県の新事業は両者の橋渡しをしつつ、新たに行政に役立てて事業創造につなげる画期的な試みともいえる。県情報政策課は「ツイッターから観光客の生の声を拾い上げたいという思いで着手した事業。政策立案の参考にし、さらに成長戦略に沿ってビジネスに活用できれば申し分ない」としている。

会員限定記事会員サービス詳細