小魚を得て大魚を失った?
ロシアのクリミア併合は果たして賢明な行動だったのか? 最終判断は後世が行うだろう。だが現時点でも検討すべき問題がある。例えば、ロシアは確かに小魚(クリミア)を得たかもしれないが、代わりに大魚(ウクライナ)を失ってしまったのではないか-。
ロバート・サービス英オックスフォード大教授(ロシア史専攻)はまさに、この種の問いを提起する。ロシアのプーチン大統領は、クリミアをロシアに併合することにより、ウクライナが「ユーラシア経済連合」へ加盟する道を完全に閉ざしてしまった、と。同連合は、大統領が長年、公約に掲げ、その実現に努力を傾けてきた「ペット・プロジェクト」である。