元阪神投手から柔道整復師の道へ 常総OBの清原大貴さん 茨城

 ■「けがに悩む選手 経験基に支えたい」

 龍ケ崎市出身で、昨年、現役を引退したプロ野球元阪神タイガース投手の清原大貴さん(24)が今春から、骨折や打撲などの治療を行う柔道整復師を目指して専門学校で学んでいる。プロ生活の大半はけがとリハビリとの闘いだったといい、「今度は、けがに悩む選手を助けられる存在になりたい」と決意。多くのアスリートが、いずれ迫られるセカンドキャリア選択の可能性を示したいとの思いもあるという。

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 4月下旬、週6日通う近畿医療専門学校(大阪市北区)。講師から包帯の巻き方を教わっていた清原さんは「覚えることが多くて大変ですが、毎日充実していますよ」と笑顔を見せた。

 小学3年で野球を始め、竜ケ崎シニアから進んだ常総学院高では2年連続で夏の甲子園に出場。エースとして臨んだ3年時の初戦では、強豪の京都外大西に敗れたものの延長12回を完投し、その秋のドラフト4巡目指名で阪神に入団した。

 高校までとは違うプロの高いレベルに追いつこうと無理な練習をこなし、2年目の春のキャンプ中に右肩を痛めた。治療のため約60カ所の接骨院や病院に通い、「プロ6年間のうち3年はリハビリ漬けだった」と振り返る。結局、1軍での登板は4試合で、昨年10月に戦力外通告を受けた。

 複数の社会人野球チームから声をかけられ、台湾のプロ野球行きも考えた。人生をかけて打ち込んできた野球。現役を続けるか悩んだが、「けがのつらさなら誰よりも分かる。同じようにけがに悩む選手たちを支えたい」と決意した。

 「けがを予防できれば選手生命は長くなる。自分の教訓を他の選手に生かしたい」。志したのは、現役時代に治療に専念してくれた柔道整復師。今春、高校の野球部の同級生が昨年から学ぶ専門学校に入学した。

 3年後には国家試験が待ち受け、30歳を目標に独立したいと考えている。

 清原さんは「目標は、けがに悩むアスリートに信頼される柔道整復師。引退後の進路を考える選手たちに『こんな道もあるんだ』と思ってもらえたらうれしい」と話していた。

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