なら再発見

60 製作技術の継承に期待 奈良晒

毎週水曜日、農林漁業体験実習館「ロマントピア月ヶ瀬」で奈良晒伝承教室が開かれている。現在の会員数は28人。糸つくりから織りまでの複雑な工程を先輩から学びつつ製作に励んでいる。

 群馬県東吾妻(あがつま)町の伝統工芸品で最上級の麻といわれる「岩島麻」を材料に、手で繊維をつなぐ糸つくりの工程「苧績(おう)み」から始める。織機にかける量の糸を用意し織機にかけるまでに6カ月以上、織りに1カ月以上。1反の布をつくるのに1年近くかかるという。

 できあがった作品は販売していないが、毎年3月梅まつりの時期に「春の作品展」が開催される。

 まれにだが、依頼を受けて製作することもある。京都の元遊郭・島原にある元料亭の角屋(すみや)(現在は角屋もてなしの文化美術館)の入り口にかかる紋入り暖簾(のれん)は、会員が分担して製作したものだ。

 商業生産としては岡井麻布商店(奈良市田原地区)や中川政七商店(奈良市元林院(がんりいん)町)で、手織り生産が続けられており、奈良市内の店舗やネットで販売されている。

 伝統ある奈良晒の製作技術を絶やさず、若い世代にも受け継いでいってもらいたい。

(NPO法人奈良まほろばソムリエの会 石田一雄)