終わることのない虐待と、マインドコントロール、助けを求めた大人たちも手を差し伸べてくれなかった…。韓国で昨年8月、内臓破裂で8歳の女児が死亡する事件があり、大邱地裁は4月11日、女児の継母(36)に懲役10年の判決を言い渡した。継母は女児を日常的に虐待するとともに、女児の姉(12)を恐怖で支配し、「自分が殺した」と供述するよう強要。しかも姉妹からは再三、学校や行政機関にSOSが出されていた。鬼母の凄(すさ)まじい虐待とともに、そうした怠慢も韓国社会を揺るがしている。
唐辛子10本を口に、ロープで縛られ突き落とされる…
朝鮮日報(電子版)などによると、継母は昨年8月14日、8歳の妹がテレビを観(み)ているときに大声を出して走り回ったことに腹を立て、腹部などを20回以上踏みつけ、口をふさいで拳で顔面を殴打。さらに瀕死(ひんし)の妹を2日間も放置し、死亡させた。
当局は当初、姉と継母による暴行が原因とみて捜査。姉は今年1月まではこう供述していた。
「私が蹴った。おばさん(継母)はいい人だから許して」
しかし事実は違った。継母は姉に「自分が殺した」と供述するよう強要していた。犯行は継母によるものだった。
姉妹は、父親の再婚に伴い、韓国慶尚北道で継母と同居していたが、2012年夏ごろから、継母から虐待を受けるようになった。その行為は筆舌に尽くしがたいほど痛々しい。
例えば、唐辛子10個ずつを無理やり口に入れられたり、ロープで体を縛られて階段から突き落とされたり。姉は洗濯槽に入れられた揚げ句、スイッチを入れられ回されたこともあった。