堺市堺区大浜北町の市有地に計画されていたイルカとふれあうことができるプールなどを備えた商業施設整備が中止となり、17日、市が発表した。事業予定者の不動産会社が辞退したためで、市はまた、この市有地の活用策検討を迫られている。
この市有地は南海本線堺駅西約200メートルの国道26号沿いに位置し、30年間空き地になっている。市は有効活用しようと平成24年に商業施設の整備・運営を行う事業者を募集。イルカにさわったり餌をやったりすることができるプール、温浴施設、レストランなどの商業施設を提案した大阪市中央区の「dhp(ディーエッチピー)都市開発」が優先交渉権を得ていた。
市によると、同社は「イルカふれあい施設では、最近の労務賃金や建設資材単価の高騰などによる事業採算性悪化が予想され、長期の商業施設の維持・運営は困難」などとして3月末に辞退を申し出たという。
当初計画では、同社が年5600万円の賃料で20年間市有地を借りて施設を整備、運営。来年春のオープンを予定していた。借地権契約は未締結だが、事前の基本協定に基づき、市は同社が証拠金(保証金)として支払い済だった940万円を没収するという。
市臨海整備課は「市としても見通しが甘かったと言わざるを得ない。今後も新たな活用策を検討していきたい」としている。