大阪調査隊

消えたサル「人間が悪い」…翻弄された運命、反省すべきは人間

 「観光客による餌やりで、猿が高栄養、高カロリーの食べ物を大量に摂取したことで、3年に一度程度だった出産ペースが毎年となり、個体数が激増してしまったのです」。条例施行の背景を、箕面市教委天然記念物保護課長の岩永幸博さんが説明する。

 有識者らによる「箕面山ニホンザル保護管理委員会」も設置、観光客の餌やりが問題視され、市は滝の奥の山中で小麦を中心とする給餌とともに、避妊薬で出産を抑え、元の生態に戻す取り組みをしている。

 この結果、食べ物を奪ったり、店の屋根を壊したりなどの猿による被害は、ピークだった平成18年度の76件から、23年度には3件に激減した。ところが、24年度には、これまでなかった農作物の被害が14件も報告されたのだ。

窮余の対抗策

 箕面山はまだまだ定員オーバーの状態。餌やり禁止によって、楽して食べ物にありつけなくなった猿は、意外な場所に出没するようになった。

 「ここ数年、大きな被害が目立つようになり、ビワが全滅した農家もあります」。そう話すのは箕面市北部の止々呂美(とどろみ)地区で観光農園を営む尾崎孝さん(61)。猿は、滝とは反対側の北に向かっていたのだ。