大阪調査隊

消えたサル「人間が悪い」…翻弄された運命、反省すべきは人間

団塊世代の聖地

 大滝への道中に、白雉(はくち)元(650)年に建立された箕面山瀧安寺があり、そこには猿が描かれた「役行者秘密縁起」という絵巻が存在する。同寺の山本照覚さん(76)は、「傷みが激しく、公開はしていませんが、箕面山で修行する役行者(えんのぎょうじゃ)の周りに、4頭の猿が描かれています。江戸時代中期の作品といわれています」と説明する。箕面山には、どうも昔から猿は身近にいたらしい。

 昭和29(1954)年、ニホンザルの研究と観光を目的に、霊長類学の大阪市立大の川村俊蔵教授らによって餌付けされ、30年5月に箕面山自然動物園が開園。31年12月には、生息地が国の天然記念物に指定された。

 デート、ドライブ、遠足の聖地として、団塊世代とそのジュニアが「箕面の猿」を満喫するのはこの時期からだ。彼女や家族、好きな同級生の前でサファリパークさながらの迫力で近づく猿に、内心おびえながら空威張りをした人も多いのでは。ところが団塊世代とそのジュニアとの出会いが意外な方向へと猿たちを導いてしまう。

人気者から厄介者に

 昭和31年当時は100頭ほどだった猿は、観光客の餌付けによって増加。平成21年のピーク時には約670頭にまで激増した。箕面市は22年4月、「箕面市サル餌やり禁止条例」を施行。餌やり行為に対して「指導」などが行われ、従わない場合は1万円以下の罰金が科されるのだ。