やまがた舞子 進む高齢化、伝統継承へ協議会設立

 ■地域ぐるみで芸妓を育成

 舞子育成のために作られた「山形伝統芸能振興株式会社」のやまがた舞子第10期生の入社式が4日、山形市内のホテルで行われ、新人4人が伝統芸能を継承する誓いを述べた。これで現役舞子は8人となった。ただ、音楽を主に担当する芸妓(げいぎ)になる舞子はほとんどおらず、高齢化が進んでいることから、7日には「山形芸妓育成支援協議会(仮称)」が設立される。(杉浦美香)

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 紅花の商いで料亭文化が培われた山形市には、昭和初期の最盛期に約150人の芸妓がいたというが、その後は減少。このままだとお座敷文化が廃れてしまうという危機感から、地元有力企業の出資で平成8年2月、「山形伝統芸能振興(やまがた紅の会)」が設立された。舞子は社員となり、社会保障制度も完備されている。

 これまでに誕生した舞子は、今年の新人を合わせ31人に上る。しかし、せっかく芸を学んでも、25歳前後でやめる舞子がほとんどだった。

 現在、やまがた舞子から芸妓として活躍しているのは30代の1人だけ。残りは70~90代になる。

 芸妓は主に地方(じかた)と呼ばれる三味線や笛、太鼓や鼓などの鳴り物を担当。今後10年もすれば、こうした地方の技芸が消滅してしまう恐れがあることから昨年5月、山形商工会議所は特別委員会を作り、支援方策を検討していた。

 協議会は同会議所や山形市、市観光協会、市内の6料亭で作る「六曜会」、山形伝統芸能振興社などをメンバーに設立。芸妓に必要な芸の講習会の費用や発表会などを援助する。

 また、同社はこれまで芸妓は個人事業主で身分が不安定であったことから、地方を目指す舞子は、継続して会社員として身分を保障する方針という。

 協議会会長になる予定の矢野秀弥・会議所副会頭は「舞子は踊りが中心。地方として一人前になるには時間がかかるが、これまで育成に取り組んでこなかった。今、取り組まなければ手遅れになる。料亭文化が残る山形を観光資源としてどんどんアピールしていきたい」と話す。

 緊張した面持ちで式に臨んだ新人舞子の坂野有紗(ありさ)(舞子名・あやめ)さん(18)は「高校2年のとき、山形駅で舞子さんを見てなりたいと思った。曽祖母が三味線を弾いていた。地方になることはまだ考えられませんが、三味線を習うのが楽しみ」と夢を膨らませていた。

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