145億円売却泣き笑い 市財政潤い/地元困惑「にぎわい施設を」 大阪・キタの小学校跡地

 大阪・キタの中心地で創立し、130年以上の歴史を持つ大阪市立大阪北小学校の跡地(北区曽根崎)が物議を醸している。入札予定価格の倍以上の約145億円で東京の不動産会社への売却が決まり、市の財政が想定以上に潤うことになった。ただ、跡地には超高層タワーマンションが建設されるため、劇場などのにぎわい施設を望んでいた地元からは「地域の要望をくんでくれていない」との声も。出直し市長選による市長不在や、地元区長が突然辞職した中での売却決定だったこともあり、地元は困惑している。

 ■先祖が土地を寄付

 人形浄瑠璃「曽根崎心中」に登場する遊女の名からお初天神として親しまれている露天(つゆのてん)神(じん)社(しゃ)。大阪北小学校(約6930平方メートル)は境内にほど近いキタの中心地にある。同校の前身、曽根崎小学校は明治7(1874)年開校の伝統校。生徒数が減少し平成19年3月に閉校した。

 「地域のご先祖たちが土地を寄付してつくった小学校だったが、跡地には私たちが要望していたものとは違うマンションができる」

 曽根崎小の卒業生で、地元自治会長の羽田清彦さん(67)が雑草の生えた校庭を眺めながらつぶやいた。市が今月14日、約145億円で住友不動産への売却を決めた土地だ。

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