一躍「クリミアの英雄」アクショノフ首相 あだ名は「小鬼」、マフィアとも関係?

 クリミア自治共和国のロシア編入を主導するセルゲイ・アクショノフ首相(41)は先月末に突然、首相に選出されるまで、親ロシア派弱小政党の無名党首にすぎなかった。だが、ロシア編入を問う住民投票で一躍、時の人となった。

 「ロシアになれば、クリミアに春が訪れる」。記者会見でよどみなく質問に答える姿は、ロシアへの統合を望む住民には頼もしく映る。「クリミアの英雄だ」との声も上がっている。

 しかし、首相就任の経緯や経歴には不透明さもある。地元メディアによると、アクショノフ氏が党首を務める政党「ロシアの統一」は、前回のクリミア議会選で得票率がわずか3・4%だった。

 だが先月末にウクライナで親欧米の暫定政権が生まれると、クリミア議会は暫定政権を承認した当時の自治共和国首相を解任し、アクショノフ氏を任命した。

 首相選出が、ロシア軍と疑われる武装集団が議会を封鎖する中、非公開の密室で行われ、出席議員の数も半数以下だったとの批判が出ている。AP通信は、同氏が「ゴブリン(小鬼)」というあだ名を持ち、過去に犯罪組織に関わった経歴もあると伝えた。

 地元の記者たちも「地元マフィアと深い関係があったことは事実。突如、首相となった背後に、ロシアがいることも間違いない」と指摘する。同氏は、クリミアが新たに創設した独自の「軍隊」組織の司令官も務めることになる。(シンフェロポリ=ウクライナ南部 内藤泰朗)

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