首相、閉会後改造へ 集団的自衛権シフトへ党掌握がカギ

 6月22日の会期末まで、与野党激突が予想される大きな法案は見当たらない。だが、安倍政権にとって、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の見直しという戦後政治の流れを変える課題が待ち受けている。

 さらに、4月の消費税率8%への引き上げによる景気の腰折れ回避のための対応に加え、年末には税率を来年10月から10%にするかどうかの判断も控える。

 そうした日程をにらみ、内閣改造と自民党役員人事が焦点となっていた。今夏の改造は既定路線だとはいえ、前半国会の焦点の予算成立を確実にしたことで、党内は一気にざわつき始めている。

 安倍内閣が「最長不倒」を記録すればするほど、人事で処遇されていない自民党議員の不満は募る。総務会では行使容認を目指す首相に異論が相次ぎ、結束の乱れを印象づけた。党の存在感は低いが、「閣内に『適任者』を集めた結果、党の掌握がおろそかになりつつある」(首相周辺)との懸念も広がる。不満の芽を摘むためにも、党掌握のてこ入れが欠かせない。

 首相は石破茂幹事長と疎遠でもないが、菅義偉(すが・よしひで)官房長官や麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経済財政担当相との関係のように一心同体とはいえない。首相の意向を体現する人材を党側に配置するため菅氏の幹事長就任説もくすぶるが、ある閣僚は「菅氏は内閣のキーマンだ。絶対に代わらない」と明言する。

 党内には「閣僚適齢期」とされる衆院当選5回以上だけでも40人を超える。改造で全員を処遇できないだけに、不満は必ず残る。集団的自衛権の問題を考慮すると菅、麻生、甘利各氏に加え岸田文雄外相や小野寺五典防衛相らも代え難く、「半分ぐらいの入れ替えで終わるのではないか」(閣僚経験者)との見方も出ている。

(酒井充、千葉倫之)

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