正論

津軽海峡を全面領海にして守れ 東海大学教授・山田吉彦

 加えてロシアは近年、サハリンのガス田を中心に極東地域開発を進め、それらの物資の輸送に利用している。最近では外国貨物船絡みの事故も起きている。

 昨年12月、海峡内でマグロのはえ縄漁船と外国貨物船が衝突する事故が起きた。同じ時期に、荒天避難のため陸奥湾に進入した外国貨物船がホタテの養殖施設を損壊し、3億円の被害をもたらした。津軽海峡を通過する船が陸奥湾に避難してくるケースも年間数百隻にも上るという。

 青函フェリーの船員は、船舶無線から中国語、ロシア語の会話が頻繁に聞こえるようになって、最近は航行の安全にも不安を覚えだしていると話していた。

 北極海航路で通過船が急増?

 海峡の将来に最大の影響を与えそうなのは、「北極海」であろう。今後、北極海航路と北極海の海底資源の開発が進むと、津軽海峡の船舶通過数は飛躍的に増大する可能性が高い。

 仮に津軽海峡の全海域を領海に組み入れたとしても、国連海洋法条約により船舶の通過通航権が保証される「国際海峡」となり、潜水艦の潜航を含む外国の軍艦の通過も認められる。ただし、外国艦船による海域の調査は拒絶でき、示威行為も禁止できる。