「歴史の勉強は苦手」という子供は多いだろう。しかし、歴史は子供が自分たちの文化的背景を知り、深みのある人生を歩んでいくために大切だ。暗記中心ではなく、子供が興味を持ちながら歴史学習に取り組めるよう促したい。(清水麻子)
◆4、5年生から
歴史の学習は小学6年生で始まり、中高校へと続く。「歴史は今の時代を映す鏡。子供たちに興味を持ってほしいが、歴史教科書は無味乾燥な事実の羅列なので親がひと工夫してほしい」と話すのは、元小学校教諭で教育評論家の親野智可等(おやの・ちから)さんだ。
親野さんによると、6年生で歴史に興味を持つ子供は歴史漫画を読んできた子供たちという。彼らは既に、躍動する人間の物語、ドラマとしてとらえ、授業中もいきいきしている。
「豊臣秀吉の名前を初めて聞くような子が6年生になって、明智光秀、武将、大名、検地など歴史上の言葉の内容をどんどん理解していけるはずがありません」。親野さんは、歴史が始まる6年生からではなく、4、5年生の頃から歴史漫画を読むことを薦めている。
「歴史漫画の中でも人物に焦点を当てたものは、主人公になりきって楽しく読める。男子には豊臣秀吉、徳川家康など戦国時代の人物。女子には最初は、卑弥呼や推古天皇など女性を扱ったものがいい」と話す。
「歴史小説や本などもいい。司馬遼太郎の著書は小学6年生なら十分に読めます」と親野さん。
江戸時代に詳しいアイドル、堀口茉純(ますみ)さんは9月、歌川広重の浮世絵を独自の視点で推理する「EDO-100 フカヨミ! 広重『名所江戸百景』」(小学館)を出版した。中高校生も楽しく読める内容だ。堀口さんは幼少期から時代劇に親しみ、小学4年生で司馬遼太郎の小説に出合い、中高校時代の歴史の成績はオール5だった。