若手記者が行く

「帰れ!」と怒鳴られても…辛い犠牲者の顔写真取材 福知山花火大会事故 

 3人が死亡し、多数の負傷者を出した京都府福知山市での花火大会爆発事故の取材に応援組として参加した。与えられたミッションは犠牲者の写真入手。大きな事件・事故取材では基本となる仕事だが、悲しみの渦中にある遺族や被害関係者に当たるため、記者として最も辛い仕事の一つでもある。緊張と不安を抱きながら現場へ向かった。

(大津支局 桑波田仰太)

ラジオから流れた「男の子死亡」の報

 「明日から福知山へ行ってくれ!」。支局長から告げられたのは事故発生から3日たった8月18日。新人記者として初めての他支局への出張だった。京都総局員を中心とした現地の取材班の仕事ぶりは、紙面を見ればその熾烈(しれつ)さが伝わってくる。緊張からか宿直勤務だったその夜、午前3時を過ぎてもなかなか寝付けなかった。

 翌19日朝。大津支局から約60キロ先の現場へ向けて支局車で出発した。「爆発に巻き込まれて治療中だった男の子が死亡しました」。道すがらラジオから民放ニュースが流れた。

 昨夜、出張命令が出たあと、事故をめぐる各新聞の記事を慌ててコピーしたが、ニュースを聞くといやが上にも緊張が増す。「早く行かないと…」。焦るなと自分に言い聞かせた。

 爆発事故は15日夜に発生。福知山市の由良川河川敷で開かれた恒例の花火大会で露店が爆発、京都府京丹波町の竹内弘美さん(44)が死亡するなど約60人が死傷した。京都府警は露店の男性店主が使用した携行缶からガソリンが噴射したことを重視し捜査していた。

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