若手記者が行く

「帰れ!」と怒鳴られても…辛い犠牲者の顔写真取材 福知山花火大会事故 

 団地は広かったが1軒、1軒話を聞いて回った。ところが、いくら家を当たってもチーム関係者どころか同級生にすら話を聞けない。

 焦ると他紙やテレビ局の記者がすごい情報を持っているのではないかと思えてくる。近所の人は「とても明るくて良い子だった」と口をそろえた。もちろん、これも空君を知る上で欠かせない情報だが、過去の取材ではデスクから「話が具体的でない」と言われ続けていただけに、このレベルの情報では記事にはならないと思わざるを得なかった。

見つけた顔写真

 そんなとき-。「小学校の近くに空君のチームメートがいたかもしれない」。同じ小学校に通う6年生の男児からこんな話が聞けた。

 場所を移動して驚いた。多くの報道陣がすでに詰めかけており、雰囲気は重い。「帰れ!」と関係者から怒鳴られている記者もいた。それでもやらないと…。

 炎天下のため、絞れるほどシャツは汗でびしょびしょ。のども乾いたが、そんなことはそっちのけで周辺を走り回り、空君について情報を当たった。すると、「暇さえあれば野球をしていて、チームでは主軸だった」「祭りで会った時、先輩の僕たちに『その空揚げちょうだい』などと気さくに声をかけてきた。かわいくて憎めないやつだった」などと、過去に同じチームで野球をした中学生たちに次々に会うことができた。

 「空君、いい子やったんやなあ」。そう思うと同時にやりきれなさも増した。写真は午後8時、同級生から借りることができた。ありがとうございます-。何度もお辞儀をした。空君の話を聞くうちに、まだ確保できていなかった竹内さんの顔写真も手に入った。

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