スポーツ群像

難病と闘った江戸っ子エース・土橋正幸さん ゆかりの人々からあふれる思い出話

 土橋さんとは一昨年、杯を交わした。「足が悪そうだったが、一生懸命に飲んで、しゃべってくれた」と振り返る。

きっぷのいい投球

 土橋さんの現役時代に対戦した経験を持つのが大毎(現ロッテ)などで内野手として活躍し、後にフジテレビ『プロ野球ニュース』の司会を務めた佐々木信也さん(79)だ。

 「球が速くて、きっぷのいい投球でね。三振しても気持ちのいい、楽しい対戦だった」と懐かしむ。土橋さんは、プロ野球ニュースのレギュラー解説者でもあった。「少ししゃべりすぎるところがあって、ブレーキをかけるのが大変だった」と苦笑しつつ、「真面目な人柄がそのまましゃべりに出ていた」とうなずく。

 元ヤクルト監督の若松勉さん(66)は、打撃コーチ兼任だった現役時代に、現在は日本ハムの指揮官となっている栗山英樹選手(52)のスイッチヒッターへの転向を監督だった土橋さんへ進言したことが一番の思い出だ。

 「『お前にそう(スイッチに向いていると)見えるのならやってみろ』と了解してくれた。栗山はその後、センターに定着して生まれ変わった」と感謝する。

水原茂監督に感謝

 記者が取材で土橋さんに東映時代の思い出をうかがったのは、2009年の秋だった。当時のノートを読み返すと、62年の日本一の要因にはまず名将・水原茂監督の采配を挙げ、「巨人であれだけ実績を残した人が、東映へ来てまた一からチームを把握していったのだからすごい」と感謝。

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