この10年間で肺高血圧の診断、治療は格段に進歩した。しかし、肺高血圧が専門の診療科を持つ病院は限られている。高度な専門知識と訓練が必要なカテーテル治療は、同センターなど全国数カ所でしか行われていないのが現状だ。患者も医師も病気に気づかず、未発見のケースも多いとみられる。
大郷医長は「息切れ、動悸(どうき)などの症状があれば、あまり認識されていない肺高血圧症の可能性も念頭におき、受診するように心掛けてもらえれば」と話している。
◇
【用語解説】肺高血圧症
肺高血圧症肺動脈の平均血圧が25mmHg以上(通常は20mmHg以下)と高い値が診断の条件。息苦しい、疲れる、失神するなど右心不全の症状が現れる。重症化すれば肺移植の対象にもなる。