参院選2013 東北

選挙戦を振り返る

 21日に投開票が行われた参院選は、合計改選数7の東北6県選挙区で、自民が5議席を占めた。一方、民主は2人区の宮城でも議席を失うなど6県での当選はゼロ。景気対策などが争点となり、震災の風化が懸念される中、各選挙区ではどのような選挙戦が繰り広げられたのか。

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 ■岩手 ポスト小沢王国を模索

 小沢一郎・生活代表の影響力は完全に凋落(ちょうらく)した。自身の衆院岩手4区内でさえ、生活の関根敏伸氏は、無所属の平野達男氏にダブルスコアの屈辱的な大敗を喫した。関根氏は「力量が足りなかった」と反省するが、小沢氏が街頭で「真実を言うのはわが党だけだ!」と叫んだ声は、県民には届かなかった。

 自民は、小沢勢力3分裂という千載一遇のチャンスを逃した。首長から陳情を受けたり、大臣や党幹部を次々に投入する手法が、有権者の反感や嫌悪を呼ばなかったか。

 ただ、平野氏への24万票は、すべて積極的な支持に基づく票だったとも言い切れまい。各党への不信や落下傘候補への違和感で行き場を失った票の受け皿となった側面がある。

 小沢王国崩壊とともに県政界はさらに混沌(こんとん)とするだろう。平野氏の今後のスタンスや、支援した民主県議らの動向も気になる。

 そして、求心力の落ちた生活から離脱者は出るのか。生活を支持してきた達増拓也知事は22日の定例会見で「任期中は国政選挙がないと思うので、政争から外交の時代になる」と話したが、2年後の知事選はどう展開するのか。

 ポスト小沢王国の建設に向け、新たな戦いが始まる。

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 ■福島 原発、争点にならず

 選挙の構図は現職同士の生き残りをかけた戦いといわれたが、ふたを開けてみれば自民、森雅子氏の圧勝。ダブルスコアの大差で6年前の雪辱を果たした。民主の金子恵美氏にとっては「改選数1減」の影響をもろに受け、攻勢に転じる決め手を示せなかった。

 森氏は現職閣僚の知名度と実績、自民への追い風が後押しに。公示前、復興庁前参事官や高市早苗党政調会長の「失言」が続いたが、火消しに早く動いた。被災地をこまめに回り、選挙戦では原発の是非に触れなかった。「当確」後のインタビューでも「県内は全基廃炉を目指すということで矛盾はない」とし、県外については「安全基準に沿って、再稼働は地元の理解があって進めるべきだ」と玉虫色の受け答えに終始した。

 一方、民主は平成13年から死守してきた議席を失うことに。17日間の選挙中、逆風にさらされた金子氏は「不徳の致すところ。残念だが、福島の復興再生をストップさせてはいけない」と敗戦の弁を述べた。

 原発事故から2年4カ月。福島で、原発の是非が争点にならなかったことは、共産や社民にも不利な状況になったようだ。

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 ■宮城 民主王国は崩壊

 改選数2の宮城では、トップ当選した自民に次いでみんなが2番手に滑り込み、民主から議席を奪った。民主は当初みんなに水をあけながら、終盤になって都市部の浮動票がみんなに流れ、都市型選挙のこわさを見せつけられる結果となった。

 民主の岡崎トミ子氏は郡部を中心に票を集めたが、みんなの和田政宗氏は仙台市だけで岡崎氏に約3万票の差をつけ、勝利に結びつけた。岡崎氏は党に対する有権者の離反をくい止められず、得票は6年前の4割弱に。かつての民主王国の面影はもはやない。

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 ■山形 自民と農協に溝

 自民は6年前に失った議席を奪還、県選出の国会議員6人中民主1人、保守系無所属1人、自民が残り4人を占めることになった。

 ただ、自民圧勝といわれる1人区でありながら、みどりの風候補が2万票余りまで詰める厳しい選挙となった。県農協政治連盟が反TPPの立場で、推薦したことが響いた。与党である自民と農協との間でしこりが残りそうだ。民主は支持したみどりの風候補、比例で落選した鹿野道彦氏が選挙からの引退を表明しており、その求心力低下は目もあてられない。

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 ■青森 民主描けぬ再建

 自民新人の圧勝は、非自民勢力の衰退を強く印象付けた。とりわけ、候補者を擁立できなかった民主党県連は、組織の立て直しが避けられないが、執行部の責任論を問う以前に、出直しに向けた青写真も描けないほどダメージは大きい。

 非自民勢力の結集が、今後の大きな課題となるが、その軸となるべき民主党の屋台骨が揺らいでいる現状では、展望は全く開けない。

 県政界はしばらく「自民王国」が続くことになるが、投票率の低さに見られるように県民の政治離れを取り戻すことが急務だ。

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 ■秋田 「元首相に責任」

 民主党の敗北について、佐竹敬久知事は22日の定例会見で「(民主党政権の)最初と次の首相がああいう状態で、戦をするときに大将がとんでもない大将だった」と述べ、名指しは避けながらも、鳩山由紀夫氏(離党)の尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる発言や、菅直人氏が東京選挙区で党が公認から外した現職を支援したことなどが原因と指摘した。

 さらに「落選した民主党の議員はかわいそうだ。有権者は、(元首相の行動を見て)この政党はいい加減だなと思って自民党に投票した」と述べた。

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