O型は肉、A型は野菜!? 血液型別食事法の嘘

 血液型によって食べる食物を決めるという民間食事法が存在する。しかし科学的に証明されているわけではない。重要なのは、DNAよりも環境的要因であり、腸内細菌などのほうが影響が大きいようだ。

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 血液型に基づいて食べるべき食品をアドヴァイスする、いわゆる「血液型食事法(Blood Type Diet)」。もう15年以上前に、アメリカの自然療法研究者、ピーター・ダダモが考案した食事法だが、近年イタリアで、健康によいと絶賛する熱狂的な支持者によって再評価されている。

 例えば、「自然に従う」医師ピエロ・モッツィは、イタリア北部のピアチェンツァ県モッリャッツェのヴァル・トレッビアの山中で、お湯もテレビも洗剤もないエコヴィレッジで暮らしているが、彼の執筆したさまざまな本のなかで最も有名なのが、『モッツィ博士の食事法 – 血液型と食事の組み合わせ(La dieta del dottor Mozzi. Gruppi sanguigni e combinazioni alimentari)』だ。カメリーノ大学のフィットネス・健康製品科学科を卒業して同大学で教鞭を執るロベルト・マッツォーリも、最新の著作『イタリアの血液型別食事法(La dieta italiana dei gruppi sanguigni)』で、血液型ごとに優先して選ぶべき食品と避けるべき食品について、イタリアの食生活に合わせてアドヴァイスを行っている。

血液型別食事法とは何か

 この理論によれば、血液型(O型、A型、AB型、B型)は、それぞれ祖先の遺伝的特徴に対応していて、これが免疫システムや代謝機能、体格、また過敏症やアレルギーその他の病気に関する体質に大きな影響を与えていて、さらには最も食べるのに適した食事までも決定づけているという。

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