貧困の子供に学習支援 民間団体が「無料塾」の試み

必要な体験

 東京大学大学院大学経営・政策研究センターが平成21年に発表した「高校生の進路についての調査」の概要によると、年収400万円以下の家庭は4年制大学進学率が31・4%にとどまるのに対し、1千万円を超える家庭では62・4%に達している。

 無料塾は子供たちの居場所としても機能している。「共働きや一人親の家庭などで家に帰ってもいつも一人、という状況から非行に走る子供もいる」と中尾さん。無理に勉強をさせず、誰かと過ごす場としても利用してもらいたいという。

 「学習も含め、子供の頃に必要な体験をさせてあげるのは大人の責任。こういう場があることが広く伝わるといい」と中尾さんは話している。

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 ■「相対的貧困率」日本は9番目

 ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所(イタリア)が昨年5月、子供の「貧困ライン」(等価可処分所得の50%)以下で暮らす子供の割合「相対的貧困率」を発表した。

 それによると、日本は14.9%(約305万人)で先進35カ国中、9番目に高い。最も高いのはルーマニアで25.5%、最も低いのはアイスランドの4.7%だった。

 今国会では、与野党が貧困の連鎖を断ち切るため、「教育の機会均等」などを盛り込んだ「子どもの貧困対策法」を提出しており、今国会で成立する見込みだ。