前回の小欄で「阪神・松井監督」の夢物語を書いた。するとある読者の方からこんなお便りをいただいた。
『タイガースのユニホームを着る松井秀喜。確かにもう夢物語ですね。でも、球団に獲得を薦めるのなら松井さんではなくて、掛布雅之さんではなかったのですか? 田所さんは掛布さんと同い年で親しい間柄だと聞いています。なら、よけいに、掛布監督実現に向けて努力すべきではないですか。阪神ファンの多くは、なぜ、掛布さんが阪神の監督にならないのか不思議に思っていますよ』
その通りである。なぜ、そんなことに今まで気づかなかったのだろう。心の中では「いつか監督になってほしい」「掛布氏がなるべきだ」と強く思いながら、何も行動していない。だから、初めての『掛布監督』待望論-を思い入れたっぷりに書くことにした。
親会社のイメージを…最も重い“罪”
《なぜ、掛布氏は阪神の監督にならないのか》-と多くの人によく質問される。そのたびに「掛布氏がならないのではなく、阪神が彼を監督にしようとしないから」と答えている。
1988年に現役を引退して今年で25年目を迎える。その間、ロッテや楽天から「監督」の要請があったし、巨人やオリックスなど幾つかの球団で打撃コーチ候補として検討されたこともある。だが、古巣の阪神からは一度も指導者としての正式なオファーはない。