動物実験の是非をめぐる、2つの見解

 動物愛護運動の活動家がミラノ大学の動物実験施設に侵入して、実験動物を「解放」した事件によって、動物実験反対と科学研究の権利をめぐって、議論が再燃している。2つの立場の熱心な擁護者の見解を紹介する。

Human and Dog photo from Shutterstock

 「人間の健康と動物の命をどちらを優先するか」については、度重なる動物愛護主義者の実験センターへの侵入によって、繰り返し再燃している。侵入は医学・薬学目的の実験に対しても行われていて、目的は、実験室に閉じ込められているモルモットを解放することだ。

 ミラノ大学薬学部で起きた最近の事件では、活動家たちの奇襲攻撃によって何年にも及ぶ科学研究が台無しになった。彼らは実験動物を連れ去ったが、研究者たちの話によると、これらはパーキンソン病やアルツハイマー病、自閉症やプラダー・ウィリー症候群、筋萎縮性側索硬化症のような、遺伝病や変性疾患のための新しい治療法の研究のために使用されていたものだった。

 最も弱いモルモットの側に立つのは当然のことだ。しかし動物愛護主義者も含め、わたしたち皆が困ったときには医療の恩恵を受けていることを考えると、正当で一貫性のあることだろうか?

 若手研究者たちもこの点を訴えて、「わたしたちは、あなた方も治療する」という横断幕を掲げていた。彼らは抗議デモを組織して、自分たちの研究と膨大な額の公的資金が失われたことを告発した。他方で、インターネットには動物たちに行われる実験による残酷な画像や動画があふれていて、動物たちはときに早過ぎる死を迎えたり、苦しめられている。

 わたしたちは、2つの立場の熱心な擁護者の見解を対比した。ひとりはミラノ大学薬学部の著名な研究者であるシルヴィオ・ガラッティーニ、もうひとりは「反生体解剖連盟(LAV)」のジャンルカ・フェリチェッティ会長だ。

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