岡田敏一のエンタメよもやま話

検閲大国・中国に屈する悲しきハリウッド…「世界2位の映画市場」札束で頬を叩かれ

アカデミー賞でも公開1分で上映禁止

 いやはや、時代は変わったものです。記者が大好きなハリウッドのSFヒーロー・アクション大作「アイアンマン」(2008年)。米巨大軍需企業のスカした社長で天才発明家の主人公が、中東アフガニスタンで最新型の武器のデモンストレーションを行っている最中、テロリストに拉致(らち)されてしまいます。

 テロリストは彼に「米を壊滅させるような武器を作れ」と命じますが、彼は、あり合わせの材料でこっそり、自分が超人になれるパワード・スーツを作ります。アイアンマンの誕生です。

 超人的なパワーで、自分を拉致した、どう見てもCNNなどで見かける国際テロ組織アルカーイダのテロリストにしか見えない連中を、腕から放射する火炎で片っ端から焼き殺すアイアンマンに「やっぱりハリウッド映画はこうでなくてはいかん!」と妙に感心したものです。

 無論、この作品は大ヒット。続編「アイアンマン2」(10年)では、主人公の父親(この軍需企業の創業者)を逆恨みするロシアの不遇な科学者が自分もパワード・スーツを作り、主人公に戦いを挑みますが、こてんぱんにやっつけられてしまいます。今頃になって冷戦時代を蒸し返し、映画で決着を付けようとするのもハリウッドらしいなと変に納得したものです。

検閲突破…アイアンマン流、究極の「必殺技」

 しかし、4月26日から日本で先行公開される「アイアンマン3」には違った意味で驚かされました。米ハリウッドのニュースサイト、デッドライン・ドットコム(3月29日付)によると、この作品、何と通常版と中国版の計2種類作ったというのです。無論、ハリウッド初の試みです。

 この作品、米国と中国では5月3日から公開されますが、中国版は昨年12月、北京で撮影が行われ、中国の人気若手女優ファン・ビンビン(范冰冰)が登場するなど、中国市場に強く配慮した作風になっているといいます。

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