「切断」失敗すれば死も… なぜ海底ケーブルは想像以上にもろいのか

 現在、世界には約200の海底ケーブルが張り巡らされている。そしてその大半には十分な保護対策が講じられていない。主要幹線にあたる海底ケーブルが故障したり切断された場合、場合によっては一部の国が完全にインターネットから遮断される可能性があるという。

エジプトからは100本以上の海底ケーブルが各国に伸びている。

 「ウェットスーツに身を包んだ破壊工作員が地中海に潜り、光ファイバーケーブルを切断する」。そんな現実にはほとんど有り得なそうな命がけの行為を実際にした者がいる。

 海底ケーブルには数千ボルトの電流も流れているので、切断に失敗すれば死んでもおかしくない。それでも先日にはアレクサンドリア(エジプト)沖の地中海で、海底ケーブルの切断を試みたとされる3人のダイバーがエジプト海軍によって逮捕されていた(日本語版記事)。エジプト・テレコムによると、この事件の影響は広汎な地域におよび、なかにはインターネットの通信速度が6割程度まで低下した例もあったという。

 犯人たちは取り調べに対し、ケーブルの切断が事故だったと主張しているが、警察当局は「SEA-ME-WE 4(SMW4:South East Asia-Middle East-Western Europe 4)」というこの海底ケーブルに対する犯罪行為をエジプト海軍が止めたとするだけで、現在まで詳しい情報は明らかにしていない。

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