金曜討論

「原作使用料」 品田雄吉氏、四宮隆史氏

 興行収入60億円の大ヒットとなった映画「テルマエ・ロマエ」。その原作漫画の著者、ヤマザキマリさんが2月、映画化に際しての原作使用料が「約100万円だった」とテレビ番組で明かし、ヒット作の割に安すぎるのではないかとインターネットなどで話題を呼んでいる。「リスクを考えればそれなりに妥当な金額」とする映画評論家の品田雄吉氏と、「原作使用料は作者への敬意の度合いを表す重要な指標」と話す弁護士の四宮隆史氏に、意見を聞いた。

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 ≪品田雄吉氏≫

リスクを考えれば妥当

 --映画「テルマエ・ロマエ」の原作使用料について、どう考えるか

 「確かに映画は60億円近い興行収入を上げたが、あくまで結果から見れば大ヒットになったということだ。昔から『映画はばくち』といわれ、フタを開けてみなければ、ヒットするかどうか分からない。作品がコケるリスクを考えると、事前に多額の原作使用料を支払うのは難しい部分がある。映画がヒットした場合には、原作の漫画が売れるメリットもあるので、『テルマエ・ロマエ』の原作使用料にしても、それなりに妥当なのではないだろうか」

 --映画制作の難しさとは、具体的にどのようなものか

 「ある程度の大作になると、1本の制作費は10億円程度かかり、場合によっては数十億円の規模に膨らむ。一方で、国内では年間に数百~1千本近い映画が上映されるが、興行収入10億円以上のヒット作は数十本にすぎない。しかも興行収入から制作費などを差し引いた額が利益となり、ヒットしても莫大(ばくだい)なもうけが出るわけではないのが実情だ」