関西の議論

湖底遺跡、変色、エビ大量死500匹…これが琵琶湖の底、新型ロボが発見

 日本一の規模を誇りながら、これまで本格的な調査が行われず「謎」が多いとされる琵琶湖の湖底。その実態解明に向けて滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が新型の水中探索ロボットを導入し、次々と「異変」を発見している。昨秋には琵琶湖固有種であるヨコエビの大量死や湖底の変色現象を発見。湖の全容解明に向け、新型ロボの活躍に期待が高まっている。

地震で沈んだ遺跡…新型ロボ、すぐれもの

 琵琶湖の面積は670平方キロ。深さは平均約40メートル、最深部では104メートルあり、湖底についてはこれまであまり調査が手がけられていなかった。このため謎が多く、「水とガスの吹き出しのポイントがある」とされたり、近年になり水没した集落跡とみられる石群が確認されたりした。水深数メートルの浅いところでは、湖底遺跡の存在が約100カ所知られている。

 こうした謎を解明しようと、同センターが導入した新型ロボは、水中でのハイビジョン撮影が可能なほか、ケーブルを通して船上から水中の様子をリアルタイムで観察できるすぐれものだ。

 センターは平成12(2000)年に初めて水中探索ロボット「淡探」を配備した。しかし、撮影画像が粗く録画しかできなかったことなどから、思うような成果が上がらず結局お払い箱に。そこで約660万円をかけてこの新型ロボを開発し、昨年3月に導入したところ、使い勝手が格段によく、調査の質が大幅に向上したという。

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