平成21〜23年まで勤務した海上幕僚監部では、制度班として女性自衛官の勤務にかかわる施策を担当。海自初の託児所の開設など、待遇面での改善に力を尽くした。「少子高齢化など社会状況の変化を考えると、男性だけで自衛隊を維持するのは難しい。女性自衛官を増やす必要がありますが、女性の場合、子育てなど家庭と勤務の両立は難しく、離職率が高いのも現実です」
自身も小学3年の長女は大阪府吹田市の実家に預け、忙しい勤務の中でなかなか会えないという。
昨年3月には、女性の初の護衛艦副長に就任し、さらに職責が重くなった。副長は船のナンバー2で、乗組員の服務規律や訓練の立案などを行う厳しいポジション。「男女を問わず全乗組員の指導を行いますが、特に性別を気にしたことはありません。むしろ男の子のほうが指導しやすいぐらい。ただ、初めての女性副長として注目されていることもあるので、失敗できないというプレッシャーはありますね」
護衛艦初の女性副長としてマスコミなどに登場する機会も多いが、「私の存在で女性自衛官のことを社会にアピールできればいい。それで、自衛官を目指す女性が増えてくれればうれしいですね」とおおらかだ。