異論暴論

正論4月号 全世界が直面する危機

北朝鮮、狂気の核実験 濃縮ウラン型開発が対テロ戦争を揺るがす

北朝鮮が2月12日に3度目の核実験を強行した。わが国のメディアなどで紹介されている議論は、アメリカ本土を射程に収めるミサイルに搭載可能な小型化に成功したのかどうかに関心が集中しているが、東京基督教大学教授の西岡力氏は、その脅威の矛先がアメリカや東アジア(日韓)にとどまらない「より大きな脅威」に焦点を当て、北の核開発を検証している。

結論から言えば、その「より大きな脅威」とは世界的規模の核拡散である。北朝鮮内にはウラン鉱山が多数あり、原爆数十〜数百発分の原料となるウランの生産が可能とされている。北が濃縮ウラン型の核兵器開発に成功すれば、豊富な原料で量産された兵器級濃縮ウランがイランやシリア、イスラム原理主義のテロリスト集団の手に渡る危険性が非常に高まる、ということである。

北が今回、爆発させた核兵器が濃縮ウラン型かプルトニウム型かは現時点では不明だが、本論考は「北朝鮮は2006年に兵器級濃縮ウランの基本生産を始めた」との脱北者の衝撃証言も紹介している。今回の実験が濃縮ウラン型だった可能性は十分にあるのだ。

西岡氏は、2002年にジョージ・ブッシュ米大統領(当時)が「悪の枢軸演説」で示したテロリスト・テロ支援国家への対処の原則に立ち戻る必要性を強調する。第2次オバマ政権がアジアへの関心を低下させているといわれる中、わが国は、どの国も免れない「今そこにある危機」の実態を国際社会に訴えるべきであろう。(小島新一)