鑑賞眼

「ロックオペラ モーツァルト」

■鮮やかな主役の2人、光る美術・衣装

偉人伝ではなく、等身大のロックスターのように描かれたモーツァルト。2009年パリで初演され、ヨーロッパで150万人を動員した舞台の日本公演だ。

物語は、モーツァルトとその才能に嫉妬する宮廷作曲家サリエリを軸に、サリエリが天才の人生を振り返る形で展開。主役2人を山本耕史と中川晃教が交互に演じる。フランス版のコピーではなく、日本版オリジナルを目指し、脚本(ドーヴ・アチア、フランソワ・シュケ)もサリエリの視点を強める形で吉川徹が手を入れ、米演出家フィリップ・マッキンリーを招いた。

記者は中川がモーツァルト、山本がサリエリの回を見たが、中川はかつてウィーン発ミュージカル「モーツァルト!」に主演した経験を生かし、世間や常識の枠に収まりきらず、あふれる音楽とパワーを煮えたぎらせるカリスマ的な天才像。対する山本は、複雑な思いを秘めながら、傍観者のようにライバルを見つめ続けるぐっと抑えた演技。

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