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被害者名伏せ被告に起訴状 法制審諮問、不服申し立て制度も

 上川陽子法相は20日、性犯罪被害者らの保護に向け、被告に送る起訴状などに記載する被害者の氏名、住所などの秘匿化を可能にする法整備について、法制審議会に諮問した。被告には被害者を匿名にした「抄本」を送達し、匿名に不服があれば裁判所に申し立てもできるとした法務省案の制度をベースに、法制審で議論を進める。

 逮捕状や起訴状は従来、事件内容を容疑者や被告に示さなければならず、被害者の氏名を書くことが多い。警察や検察は、性犯罪などの場合は被害者を匿名にしてきたが、裁判官によっては冤罪(えんざい)防止の観点から氏名を含めてできる限り事実を書くよう要請するケースもある。平成28年成立の改正刑事訴訟法の付則に検討事項として匿名化が盛り込まれたこともあり、法務省などで検討していた。

 法務省案では、警察や検察が逮捕状や勾留状を裁判所に請求する際、原本とともに、被害者の氏名や住所、勤務先など「個人特定事項」のない抄本も同時に求めることができると規定。起訴状については、検察が被害者名などの入った原本や謄本とともに、匿名の抄本を裁判所に提出し、裁判所から被告には抄本、弁護人には特定事項を被告に知らせないとの条件で謄本を送達する。被告が被害者に危害を加える危険性が大きいと判断した場合は、弁護人にも匿名の抄本を送達できるとしている。

 対象事件は、強制わいせつ罪や強制性交罪、児童買春・ポルノ禁止法違反罪など。被害者や親族らの「名誉や社会生活の平穏が著しく害される恐れ」や「身体や財産に害が加えられる恐れ」がある場合も対象としており、ストーカー事件や暴力団事件も想定される。

 公判での証拠開示や判決文などでも被害者の氏名や住所を秘匿できるようにする。一方、匿名化によって被告や容疑者側が反論の材料を集める「防御権」が制限されることから、不服があれば裁判所に即時抗告できる制度を創設することも提案している。

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