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「融雪型泥流」の脅威 静岡県、防災再構築へ 富士山噴火マップ

噴火すれば広範囲に被害が及ぶ心配がある富士山(田中万紀撮影)
噴火すれば広範囲に被害が及ぶ心配がある富士山(田中万紀撮影)
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 静岡、山梨、神奈川県などでつくる富士山火山防災対策協議会が26日公表した、改定版の富士山ハザードマップ。噴火する火口の位置や風向きによっては静岡県内では新たに、溶岩流が沼津市、清水町、静岡市清水区の一部まで達する危険があることが分かった。富士市は沿岸部のほぼ全域が溶岩流の想定被害範囲に含まれるなど、全県的に防災計画の再構築に迫られる。

 過去の富士山噴火の研究で近年、従来の想定より富士宮市街地に約10キロ近い「二子山」に火口跡が発見された。これら最新の成果を反映した改定版は、溶岩噴出量を従来の約2倍と想定。溶岩流の到達予想時間は富士宮市、富士市を中心に早くなり、到達距離も伸びた。沼津市など新たに到達範囲に入る3市区町は『火山災害警戒地域』に指定される見通しで、県内の指定は計10市町となる。

 溶岩流が市街地の大半に到達する時間は、富士宮市で6時間以内、御殿場市と裾野市南部で12時間以内。また富士市では、最大57日間かかるものの最終的に、田子の浦港を含む沿岸部ほぼ全域まで及ぶ計算だ。

 各地の溶岩流到達予測は、富士宮市の山宮浅間神社までわずか14分。陸上自衛隊富士駐屯地(小山町)に1時間15分、富士宮市のレジャー施設「富士山こどもの国」には1時間45分。避難時の利用が想定される交通網への影響も大きく、新東名高速道路に1時間45分、東名高速道路は2時間15分、東海道新幹線までは5時間で届く恐れがある。

 もちろん、一度の噴火で今回示された全範囲に被害が及ぶわけではない。だが、火口位置や噴火規模によっては、市町を越えた広域避難が必要になったり、通常の交通網が使えなくなったりする懸念がある。

 さらにやっかいなのは、速度が速い「融雪型火山泥流」だ。火砕流で雪が解けて土砂とともに斜面を流れ下る現象で、積雪時など一定の条件下に限られるが、改定版のマップによれば、富士、富士宮両市方面では1時間で新東名高速を超え、3時間で東海道新幹線に、6時間で富士川河口まで及ぶ。最終的に富士宮市のほぼ全域、御殿場市と富士市の大半が想定被害範囲となる。発生すれば溶岩流との速度の差は歴然で、危険性は高い。河川の近くなど低地は警戒が必要だ。

 川勝平太知事は「富士山周辺のすべての市町が影響を受けることになるが、正しく恐れ、正しい知識を持って、広域避難計画や地域防災計画を作っていく。国や神奈川、山梨両県とも連携しなければならない」と述べ、防災対策に生かす決意を語った。

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