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「ワクチンの質問禁止」寒川町議会取り決め、議員ら反発

寒川町議会の本会議場
寒川町議会の本会議場

 神奈川県の寒川町議会で、議長側が議員らに対し、新型コロナウイルスのワクチン接種について一般質問の議題としないよう“口止め”を図っていたことが15日、分かった。これを受けて一部の議員らは「言論統制だ」「コロナを話題に取り上げなくては町民に示しがつかない」などと反発を強めている。業務が切迫する医療現場に対する議長サイドの“遠慮”があったとみられる一方で、議長側が議員らの自由な発言を阻害することの是非や、地方議会の情報公開のあり方が問われる事例として注目を集めそうだ。(外崎晃彦)

 関係者によると、「ワクチンの質問禁止」の取り決めがあったのは、佐藤一夫議長が新議長に就任した3月2日の議会運営委員会。集まった全会派の代表者5人に対し、新型コロナをめぐる話のなかで「一般質問ではワクチンについての質問は入れないでほしいと、議長が唐突に切り出した」という。

 ■議長は反論

 居合わせた議員によると、佐藤議長はワクチン接種が始まれば職員や医療担当者は事務的な作業に追われるため、議員の質問に対する回答を用意したり、打ち合わせに出たりすることに時間を割かれることは業務に支障を生じさせる恐れがある-といった趣旨の説明をしたとしている。

 そうした取り決めを知らされた議員の一人は産経新聞の取材に対し、「言論統制ではないか」と疑念を口にする。その上で、「ワクチン接種についてはいま、町民の一番の関心事。議事録や議会の配信動画を見た町民らは、議員らがおしなべてワクチン接種の話題に触れない様子を見てどう思うのか」などと憤った。

 別の議員も「議長が議員の発言内容に制限をかけるのはいかがなものだろうか」などと不満の声を上げている。ただ、佐藤議長は産経新聞の取材に対し、「議会運営委員会の場で合意形成されたものだと認識している。ましてや、質問禁止を強制しているのではない。言論統制には当たらない」と反論している。

 ■現場に遠慮

 さらに、「緊急事態宣言という状況下、何を優先するべきかを考えるなかで、われわれは町民の安心・安全のために最善を尽くさなければならない」とも話し、ワクチンに関する議題化の抑制に理解を求めた。

 「ワクチンの質問禁止」の取り決めの背景には、議会運営委員会のなかで意思疎通に何らかの行き違いがあったものとみられるが、切迫する医療現場や担当者らに対する議長サイドの“遠慮”も要因としてありそうだ。ただ、反発している議員の一人は「ワクチン接種と議員への言論統制は別の話。議会は発言の自由を守るという基本的なルールを逸脱してはいけない」と語気を強める。

 ワクチン接種にまつわる発言の自由をめぐり、議会内では今後も一悶着(もんちゃく)ありそうだ。

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