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高齢者避難計画250万人分策定 自治体支援 5年間で180億円 小此木防災担当相

小此木八郎防災担当相(萩原悠久人撮影)
小此木八郎防災担当相(萩原悠久人撮影)

 政府は来年度から、災害時に高齢者や障害者が避難するための個別計画策定に向け、自治体支援に乗り出す。策定が進んでいないためで、小此木八郎防災担当相は12日、5年間で総額180億円を国が負担し、優先度が高い要支援者250万人分の計画策定を目指す考えを示した。政府がモデルとして念頭に置くのは大分県別府市の事例で、カギとなるのはケアマネジャーら福祉専門職の協力だ。

 「どうしたって自分の力だけで逃げきれない中で、共助や公助があるということを改めて発信したい」

 小此木氏は12日の記者会見でこう述べ、政府として災害弱者の支援に力を入れる考えを改めて示した。

 政府は、要介護度3~5で、浸水想定区域に住む優先度の高い高齢者らを全国約250万人と推計。災害時要支援者の個別避難計画策定に向け、来年度から各自治体に高齢者ら1人当たり7千円分の費用助成を行う。助成するのはケアマネジャーら福祉専門職への報酬で、政府は別府市の取り組みを参考にしている。

 個別避難計画の策定は通常、自治会など地域住民の自主的な支え合いに頼っており、策定が進まない要因だった。そこで同市は平成28年度以降、個々の事情に応じたケアプラン(介護サービス計画書)を作成しているケアマネジャーら福祉専門職に着目。防災研修を行った上で7千円分の報酬を出して避難計画の策定を促した。

 さらに個々の計画案を地域で共有し、隣近所から支援を得られるよう実際に避難訓練を行うなどのプロセスを定めた。同市では要支援者名簿に名前がある高齢者や障害者の半数以上が個別計画を策定済みだ。担当者は「一般人に任せるより、福祉のプロに作ってもらった方が本人にとっても安心感があり、協力が得やすくなる」と説明する。

 災害での犠牲者の多くは高齢者だ。九州地方で大きな被害が出た昨年7月の豪雨では死者のうち65歳以上は79%、令和元年の東日本台風で65%を占めるが、要支援者名簿の全員分の個別避難計画を策定した自治体は元年6月時点で12・1%(消防庁調べ)にとどまる。

 政府は今国会で成立を目指す災害対策基本法改正案で、個別避難計画の策定を自治体の努力義務として規定した。「別府モデル」を全国へ展開し、これまで遅れていた計画の策定を一気に進めたい考えだ。(市岡豊大)

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