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福島第1原発 単独ルポ 1000基超える処理水タンク 10年で作業環境改善も見えぬ収束

1)4月以降、建屋を覆う大型カバーの設置工事に着手する計画がある1号機。廃炉に向けて、がれきの撤去が進められることになる(2)2号機は、原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す「初号機」となる見通し。原子炉内部の状態の調査が試みられている(3)クレーンを収めるドーム状の屋根が設けれた3号機。2月下旬に燃料プールから全566体の燃料取り出しが完了した(4)震災時は点検中で停止していた4号機。重厚な骨組みの建屋カバーが設けられ、平成26年に燃料プールから燃料取り出しを終えている(松本健吾撮影)
1)4月以降、建屋を覆う大型カバーの設置工事に着手する計画がある1号機。廃炉に向けて、がれきの撤去が進められることになる(2)2号機は、原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す「初号機」となる見通し。原子炉内部の状態の調査が試みられている(3)クレーンを収めるドーム状の屋根が設けれた3号機。2月下旬に燃料プールから全566体の燃料取り出しが完了した(4)震災時は点検中で停止していた4号機。重厚な骨組みの建屋カバーが設けられ、平成26年に燃料プールから燃料取り出しを終えている(松本健吾撮影)
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 東京電力福島第1原発事故の発生から10年を前に、産経新聞は廃炉作業が進む構内の単独取材を行った。全面マスクや防護服なしの軽装備で立ち入りが可能な区域は9割を超え、防潮堤の整備も進むなど作業環境は以前に比べ格段に改善している。だが、事故炉で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しはなお手つかずのまま。敷地を覆う1000基超の処理水タンクの前で、事故収束に「節目」を感じ取ることは難しかった。

■防護服なしで

 記者が前回、取材で構内を訪れたのは平成26年2月。当時は全面マスクに防護服という完全防備で取材に臨んだが、7年ぶりとなる今回は、新型コロナウイルス対策を兼ねた不織布マスクに、一般服で入構できるようになっていた。

 正門を通過して向かったのは、事故が起きた1~4号機西側の海抜35メートルの高台。炉心溶融(メルトダウン)を起こした1号機まで100メートル程度という位置だが、感染対策を別にすればマスクの着用は不要だ。

 事故当時は敷地全域で全面マスクや防護服の着用が必要だったが、地面にモルタルを吹き付けるなどして放射性物質の飛散を押さえ込み、28年に装備の規制を緩和。現在は、一般の作業服に防塵マスクだけで立ち入り可能な区域が全体の約96%まで拡大している。

■防潮堤かさ上げ

 1~4号機の海側には防潮堤が設けられた。海抜11メートルで約600メートルにわたり太平洋を望む視界を遮っている。太平洋沖の千島海溝沿いの巨大地震による津波(10・3メートル)を想定し、事故前は同8・5メートルだった敷地をかさ上げして昨年9月に完成したものだ。

東京電力福島第1原発の防潮堤=2月9日、福島県大熊町(松本健吾撮影)
東京電力福島第1原発の防潮堤=2月9日、福島県大熊町(松本健吾撮影)
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 しかし、内閣府は昨年4月、震源が同原発により近い日本海溝の地震で13・7メートルの津波予測を公表。このため、令和5年度までに海抜約13~15メートルに増強することになっている。

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