PR

ニュース 社会

前代未聞の国外逃亡 元軍人、来日20回以上 綿密計画で実現

米国から日本に到着したマイケル・テイラー容疑者、息子のピーター・テイラー容疑者らを乗せたとみられる移送車=2日午後、成田空港(佐藤徳昭撮影)
米国から日本に到着したマイケル・テイラー容疑者、息子のピーター・テイラー容疑者らを乗せたとみられる移送車=2日午後、成田空港(佐藤徳昭撮影)

 米当局による拘束から9カ月余り。日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(66)=会社法違反などの罪で起訴=のレバノン逃亡を支援したとして、東京地検特捜部は、米軍特殊部隊の元隊員とその息子を逮捕した。日本の出入国管理をすり抜け、保釈中の被告を国外へ逃したという前代未聞の事件。解明に向け、取り調べを本格化させる。

 犯人隠避の疑いで逮捕されたマイケル・テイラー容疑者(60)と息子のピーター容疑者(28)を乗せた航空機は2日午後4時過ぎ、成田空港に到着した。

 マイケル容疑者は、かつてテロなど大規模事件の対応に当たる米陸軍特殊部隊グリーンベレーに所属。海外メディアなどによると、レバノンに派遣されたこともあった。除隊後は民間警備会社を経営。2009(平成21)年には、アフガニスタンで反政府勢力タリバンに拘束されたニューヨーク・タイムズ紙記者の救出に関わったとされる。

 汚職に絡み刑務所に1年以上収容された経験もある。米裁判所に提出した資料で「どのくらい拘束が続くか分からず、精神的苦痛を受けた」と訴えていた。

 今回の逃亡計画は周到に準備されていた。米国の裁判資料では、ピーター容疑者は逃亡前の令和元年7~12月に複数回来日し、ゴーン被告と少なくとも7回面会。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、マイケル容疑者らも含め来日は延べ20回以上に及び、10カ所以上の空港などで下見を繰り返したという。

 逃亡当日の同年12月29日午前10時10分ごろ、マイケル容疑者は、自身の警備会社に勤務経験のあるジョージ・ザイエク容疑者(61)=犯人隠避容疑などで逮捕状=とともにプライベートジェット(PJ)で関西国際空港に到着。東京に移動してゴーン被告と合流した。

 ゴーン被告を大きな黒い箱に潜ませて関空に戻ると、入管側に箱を検査されることもなくPJに搭乗。逃亡先のレバノンへ向かった。米司法当局の文書によると、ゴーン被告側から計130万ドル(約1億3800万円)以上がマイケル容疑者側に渡ったといい、報酬の可能性がある。トルコのPJ運航会社幹部にも3千万円超が支払われたことも判明している。

 マイケル容疑者らは日本に到着後、東京拘置所に収容。今後、通常の勾留手続きなどを経て起訴され、正式裁判になるとみられる。検察幹部は「状況が一歩前進した。真相解明に全力を尽くす」と述べた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ