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【from和歌山】犯罪被害者の「痛み」和らげる社会を

森田都史君の遺影に手を合わせる父親。事件は2月5日で6年を迎えた=和歌山県紀の川市
森田都史君の遺影に手を合わせる父親。事件は2月5日で6年を迎えた=和歌山県紀の川市

 祭壇に飾られた写真の中で、少年は笑顔をみせていた。「納得のいく判決が出れば、納骨するつもりだった」。70代の父親は骨壺を見つめて語る。平成27年2月5日の発生から6年を迎えた和歌山県紀の川市の男児殺害事件。市立名手小5年、森田都史(とし)君=当時(11)=は生きていれば高校生だ。同年代の若者を見て父親は考える。「こんな風に成長していたのかな」。取材を通じ、改めて思った。犯罪被害者に対し、社会は正しく向き合っているのか。

 事件をめぐっては令和元年7月、近所に住んでいた中村桜洲(おうしゅう)受刑者(28)に対し、殺人罪などで懲役16年の2審大阪高裁判決が確定している。損害賠償を求めた民事訴訟では、和歌山地裁が平成30年8月、中村受刑者に約4400万円の支払いを命じたが、今も支払われていないという。

 現実と直面しつつ、父親は昨年から犯罪被害者支援団体の集会に参加して自身の経験を語り始めている。「少しでも、犯罪被害に遭われた方々が救われるような『いい方向』に、社会が変わってほしい」との思いからだ。

 一方、今月5日、父親は取材にこう話した。

 「私たちは事件当時から置いてきぼり。そんな感じで…」

 大切な人を犯罪で失った、傷つけられた-そうした被害を受けた人々が置き去りにされている。事件は過去の話ではない。歳月を重ねるごとに深く大きく増していく痛みを、被害者は背負ったままで生きている。

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