PR

ニュース 社会

津波なくても高台へ…生きた震災の教訓 福島・宮城地震から20日で1週間

 サーキット場で土砂崩れが起きた福島県二本松市。旅館勤務の女性(51)は大震災以降、枕元に懐中電灯を常備し、室内スリッパをそのまま外に逃げられるようシューズ型にした。水は15リットル程度を備蓄し、飼い猫の餌は1カ月余分に用意。「東日本大震災ではペットを避難場所に連れて行けず不便だったと聞き、対応は常に想定していた」という。

 飲食店も「自衛」を行っていた。宮城県白石市の蔵王酒造は、東日本大震災で倉庫などで出荷を控えた日本酒の瓶が大量に割れたのを受けて、震災後すぐに酒瓶を入れるケースや段ボールを大きなラップで包んで安定感を高める対策に着手していた。

 酒瓶を入れたケースを同方向でなく縦と横に組み合わせて倒れにくいようにするなど、並べ方も工夫。今回の地震では震度5強だったにもかかわらず、被害は瓶5本が割れたのみだった。常務取締役の渡辺毅一郎さん(33)は「小さな対策だが、改めて効果が分かった」と胸を張る。

補修費用に課題

 総務省消防庁の19日朝時点のまとめでは、今回の地震で確認された建物被害は2649棟。うち全半壊は53棟で、ほとんどが一部破損にとどまる。

 災害で住宅被害を受けた人を支援する国の制度は2つ。一つは被災者生活再建支援法に基づくもので、全半壊した世帯に最大300万~100万円の住宅再建費用を支給する。以前は全壊か大規模半壊が対象だったが昨年改正され、中規模の半壊まで対象が拡大した。もう一つは災害救助法を根拠としたもので、住宅の修理費を最大約60万円受け取れる。

 だが、今回の地震では多くが一部損壊のため、こうした公的支援が受けられないとみられる。被災者の金銭的負担は決して軽くない。福島県いわき市に住む男性(77)の自宅は、窓サッシが落下し壁の一部が崩れた。東日本大震災では屋根の修復に240万円かかったといい、自宅全体の耐震強化も考えたが、年齢や金銭的負担を考え、二の足を踏んだという。「あと何年生きられるのかと考えると、高額な支出は現実的ではない」と、本音を打ち明けた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ